自然素材を使った昔ながらの道具には、今の暮らしにも役立つ長所がたくさんある。
竹製のざるもそのひとつだ。ステンレス製よりも水切れが早く、見た目も涼しげ。
アイデア次第で夏場の食卓や調理で活躍する。
竹の風合いや特性を生かした竹ざるの意外な活用法と手入れのコツをまとめた。
ゆでた食材の水切りなど、ざるは料理に欠かせない道具だ。ステンレス製やプラスチック製が主流だが、料理研究家の大庭英子さんは昔ながらの竹ざるを愛用する。
大庭さんの仕事場を訪ねると、壁面の一角に掛けられた大小様々な竹ざるが目を引く。二十年ほど前から集め始め、今では五十点近くを数える。
すべて「生活の道具として使っている実用品」だ。
竹ざるの最大の魅力は水切りれのよさ。竹そのものが水分を吸収するため、ステンレス製より水切れが早い。「野菜はもとより、そばやパスタにも使う」と大庭さん。
手早く水気が取れるとめんがのびない。魚も竹ざるに載せて塩を振ると、生臭さの原因となる余分な水分をしっかり落すことができる。
「大きなざるは洗った食器の水切りにも使える。ステンレス製のように継ぎ目にぬめりがたまることもない」。吸水性、通気性に優れた竹ざるは追熟が必要な果物を入れておくのにもいい。
竹ざるはそのまま器として使えるのも魅力だ。夏場ならゆでたての枝豆やトウモロコシ、冷水でしめたそうめんやそばなど。涼しげな見ために加え、食べている間も竹が余分な水分を吸ってくれる。めん類は深めのざるに取って冷水でしめ、水気を切って別の乾いたざるに盛るといい。器には「盆ざる」と呼ばれる平たいものが適している。
大きめの盆ざるがいくつかあると、バーベキューやビアパーティーなど人が大勢集まるときに便利だ。バーベキュー用に下ごしらえした野菜や塩を振った魚介類を載せたり、紙ナプキンを敷いてナッツやスナック、ドライフルーツなどのつまみを盛り合わせたり。陶製の大皿よりも軽く、割る心配もない。パーティーは使う皿数も多く、後片付けも大変。大皿代わりに盆ざるを使うと荒いものが格段に楽になる。
自分が招かれたときも、手作りの料理やデザートを持参するなら「そのままテーブルに出せるよう竹ざるに盛つけておくといい」と大庭さんは提唱する。軽くて持ち運びが楽なうえ、余計な器を使わせて洗いものを増やさないようにする訪問先への配慮だ。
つくりが丈夫なものは長く使える。大庭さんのコレクションにも二十年近く前に購入して、今も現役で活躍しているものもある」という。
長持ちさせるには「洗った後、しっかり感想させカビを防ぐ。これが一番重要」。竹製品専門店、鎌倉東和(神奈川県鎌倉市)の代表、鈴木雄一さんはこう強調する。
流水か、魚や天ぷらなどの油ものを載せたときには中性洗剤を使い、スポンジをざるの目に沿って滑らせながら洗う。竹が水分を吸いすぎないようにつけ置き洗いは避ける。
「洗ったざるは両手で持って水気を切ること。片手で持ち、もう一方の手に打ち付けると型崩れの原因になる」と鈴木さん。さらに表面の水滴をふきんで軽くふき取り、ざるの目を縦にしておくと渇きが早い。
そったりゆがんだりする原因になるので、食器洗い乾燥機を使ったり直射日光に当てたりするのは避ける。時間はかかるが自然乾燥が基本だ。通気のいい場所にしまうことも重要。大庭さんが壁に掛けているのもそのためだ。使いたいときにすぐ手に取れ、個性的な形の竹ざるはインテリアにもなる。
フックやクギに掛からない盆ざるなどはラックを利用して立てておくといい。台所に置くのは火気や湯気が当たらないか確認が必要だ。
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